食品機械用語集
食品機械用語を解説しています。
あ行
あ
- 圧延(あつえん)
- 麺帯を薄く延ばす工程です。ロール圧延において、麺帯を一度に目的の厚みにまで圧延すると、麺帯に無理な力がかかり、麺帯内部のグルテン組織を壊す可能性があります。そのため、複数回に分けて徐々に圧延します。
え
- F値(Fち)
- 食品を加熱する際、工程全体の殺菌効果を、加熱の基準とする温度での殺菌効果に換算した値をF値(単位は分)と呼びます。食品衛生法において容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルト食品など)は、中心温度を120℃で4分加熱する方法またはこれと同等以上の効力を有する方法であることと規定されています。
- L麺(SL麺)・LL麺(Lめん(SLめん)・LLめん)
- L麺=Long麺、SL麺=Semi Long麺、LL麺=Long Life麺と呼びます。麺に対して殺菌処理を行い、日持ち延長化を図ったものです。殺菌強度により、L麺(SL麺)とLL麺と呼び方を変えます。
か行
か
- かすり(かすり)
- スクレーパー(Scraper)とも言います。麺線の切り出しには、圧延した麺帯を一対の円周方向に溝の付された切刃ロールの間に挿入し、麺帯が麺線に切断されつつ、切刃ロールの溝部に押し込まれます。そして、溝部に押し込められた麺線を溝から取り出すために用いられる真ちゅうなどの金属板を「かすり」と言います。また、圧延ロールの汚れを落とす「かすり」もあります。
き
- 切出機(きりだしき)
- 圧延し、シート状に整形された麺帯を、線状にカットする目的で使用するロールを切出機と言います。通常、厚みの微調整のためのロール、切出ロール(切刃)、切出した麺線を適当な長さに切断するカッターからなります。
- 切刃(きりは)
- 切出機の麺帯から麺線に切出すロールのことを指します。切刃には、切出す麺線の幅と形によって各種のものがあり、製品によって取り替えて使用します。切刃につけられている番手は昔、麺を作る職人が一寸(30.03mm)の中に何本の麺線を切るかがその由来とされています、今はJIS(日本工業規格)規定されており、例えば20番の切刃で切った麺線の幅は30.03mm÷20≒1.5mmとなります。
く
- グルテン(ぐるてん)
- gluten。小麦粉に水を加えて練るとできる、粘着性と弾力性をもったガム状の物質のことを指します。ミキシングや圧延工程において、このグルテンが網目構造をつくることにより、うどんや中華麺などの独特な「コシ」を生み出します。
さ行
さ
- SUS304(さすさんまるよん)
- クロムを18%、ニッケルを8%含むSUS304は、オーステナイト系ステンレス鋼の代表的な材料です。良好な耐食性、加工性、溶接性など多くの優れた特性を備えています。耐食性とは腐食のしにくさ、金属で言うと錆びにくさを表します。また、SUS304は熱伝導率が低く、保温効果があるため、熱を逃がしにくい特長があります。
し
- CIP(CIP)
- Cleaning In Placeの略で、定置洗浄と訳されます。プロセス中の装置・機器類を分解することなく、食品製造時とほぼ同じ状態で洗浄水を送液することにより洗浄を行う方式です。あらかじめ定められたプログラムで自動運転されます。
- 熟成(じゅくせい)
- aging。生地熟成、麺帯熟成および製品熟成があります。ねかし(貯蔵)によって、生地、麺帯または製品の品質が改良されることを目的としたものを言います。
そ
- 粗麺帯(そめんたい)
- ミキシング工程後のソボロ状となった生地(麺粒)を、一対ロールの回転によってシート状に整形した麺生地を麺帯と呼び、この最初の麺帯のことを粗麺帯と呼びます。
た行
た
- 玉取装置(たまとりそうち)
- 茹で上げた直後の茹で麺を、一食ずつ計量する装置です。ソディックの玉取装置は、マス計量方式を採用しています。
て
- DDM(DDM)
- Direct Drive Motorの略です。モーターの回転力を間接的機構を介さずに直接、駆動対象に伝達する方式です。モーターとギアボックスが一体となり密閉されているため、汚れ対策に効果をもたらします。また、チェーン、歯車等の摩擦によるフリクションロスを最低限に抑えることができるため、高効率・低騒音・長寿命等の特徴を持ちます。
な行
な
- 波ロール(なみろーる)
- 表面が波型を打っているロールを言います。
に
- ニーダー(にーだー)
- Kneader。混捏機(こんねつき)と訳されます。主に加水の多い生地の混捏に用いられます。
は行
は
- HACCP(はさっぷ)
- Hazard Analysis-Critical Control Point Systemの略称で、危害要因分析重要管理点と訳されます。
HACCPによる衛生管理は、各原料の受入から製造、製品の出荷までのすべての工程において、食中毒などの健康被害を引き起こす可能性のある危害要因(ハザード)を科学的根拠に基づき管理する方法です。2021年6月からは、食品衛生法の改正により、HACCP導入・運用が完全義務化しました。
ひ
- 平ロール(ひらろーる)
- 表面が平滑なロールを言います。
ふ
- 複合(ふくごう)
- ロールを一回通っただけの粗麺帯は、麺帯としての強度が弱く、また表面の状態も不均一で平滑ではありません。麺帯を強靭なものにすると同時に、外見上も均一なものにするため、粗麺帯を2枚重ねて次のロールに通す工程をいいます。
ま行
め
- 麺線(めんせん)
- 目標の厚みまで圧延した麺帯を線状に切ったもののことを指し、いわゆる私たちが食べる状態の麺の形状のことです。
- 麺帯(めんたい)
- ロールの上からソボロ状の生地を押し込むと、ロールの回転によって生地はロールの間に引き込まれて、ロール間隙の形の断面形状を有する帯状に繋がった生地ができます。これを麺の帯、麺帯と呼びます。
- 麺粒(めんりゅう)
- 小麦粉や水などの原材料をミキサーで混合し、ソボロ状になった生地のことを言います。
ら行
り
- リテーナー(りてーなー)
- Retainer。無菌包装米飯製造装置や個食茹麺装置の工程において、食材を搬送するために用いられる部品を言います。食材はリテーナーに乗せられて、製造工程上を移動します。