インタビュー【ソディックユーザレポート】 中国湖北省武漢市 台湾企業
HOMI CO., LTD様

飛躍的な成長とその秘訣
HOMI 高精度な製品を世界に供給する台湾企業

精密加工に適した環境を設備し、そこに放電加工機がずらりとならぶ。オペレータはひとりで2〜3台を操ることもあるという。ほとんどが多能工としてワイヤ放電やマシニングセンタ、研削盤も使いこなす。コアとなる技術はリニアモータ駆動放電加工機によるもので、最新の高精度加工を常に追求するエンジニアが多い。

HOMIの張総経理のモットーは「価格競争に乗らないこと。
ユーザの望むものづくりにアンテナをはり、次の最先端の波をトップから乗りこなす仕事をする」という。

中国の東莞と武漢に生産工場を、台湾には本社研究センターを構える。
今回は中国湖北省武漢市の工場を取材した。
HOMI 武漢生産工場 外観HOMI 武漢生産工場 外観
HOMI 武漢生産工場 敷地内の様子HOMI 武漢生産工場 敷地内の様子
HOMI 武漢生産工場 内観HOMI 武漢生産工場 内観

Introduction

HOMIは、ソディックの機械を2007年に導入。主に、最終製品が情報通信機器産業となる工業製品(金型部品など)において、精度・納期・品質のバランスに優れ、成長している企業の一つだ。主要取引先の多くに日系・欧米系の大手企業が含まれ、その発注リピート率が高い。

HOMI工場の様子

創業当初からソディックの機械を導入し、LEDのトップビュー金型部品製造を手がけた。
さらに小型で高輝度を目指す業界とともにLEDサイドビューも手がけた。微細微小な放電加工部が多数あり、その測定箇所は100箇所以上におよぶレンズ金型のダイなど要求精度の高い分野で活躍した。創業12年をこえる今日においても、リニアモータ駆動と構造材にセラミックを採用したソディックの放電加工機は導入当初の精度を再現できる安心感があり、さらにより高精度を追求できるというものづくりへの挑戦を胸に、イキイキと仕事に取り組む現場の空気がある。

HOMIは、金型の設計、製作、試作まで事業を拡大。V-LINE®射出成形機の導入によりプラスチック成形まで対応できる。

人材育成−社員育成の特長

HOMIは、中国華南の広東省東莞市で創業し、2018年には台湾に本社研究センターを、中国湖北省武漢市に新工場を設立している。

外資系企業の中国進出における大きな課題の一つに、人材育成がある。作業性や能力・能率の向上といった従業員の意識的な問題と定着率である。

この点をHOMIは、その双方をクリアしている。

一貫した経営方針に基づき、どちらにおいても向上するしくみが事業スタート時点から続いている。男女問わず、20代、30代のスタッフが多く、事務所から工場の現場まで、真剣に業務に取り組んでいる様子が見てとれる。グローバルな取引がベースであるため、管理部門では、中国語だけでなく英語やドイツ語が堪能なバイリンガルスタッフが携わっている。

人材育成

工場は、20代のスタッフが多く中でも武漢にある工業系専門学校の卒業生が大半を占めている。「若い頃からものづくりに興味を持ち、機械操作になれているスタッフは、現場になじみやすく、目的意識を持って真剣に業務に取り組む下地ができている」という。製造業が盛んなこの地域において、他社よりも優れた精度と品質を提供するために、しっかりとした運営方針を貫くことが景気に左右されない強い会社になるのであろう。張総経理は「社員には、その能力に見合った給与を支給する仕組みがある」という。社員はみな、そのことを認識しており、特別なスキルの仕事をしているという自負があるのだ。

ものづくりの醍醐味である、“ 良いものを作ろう”、“こんどはもう一歩工夫してみよう"、といった意気込みを、スタッフと接すると感じる。イキイキと眼差しが良い。実際に現場を見学してみると、よくわかる。ものづくりへの真剣さが伝わってくる現場なのだ。

形彫り/ワイヤ放電加工機を担当する劉様にインタビュー

武漢工場放電担当 劉 寧様武漢工場放電担当 劉 寧様

劉様は、2003年に武漢の金型専門学校を卒業、2006年にHOMIに入社しました。入社前は、広東省のコネクタメーカで放電加工機による部品加工を3年間経験しています。

ソディックの加工機の印象は?

HOMIへの入社当時は、ソディックの放電加工機がはじめてということもあり戸惑いました。タンク操作や操作画面の構成などが以前と異なる点があったためです。
次第に慣れてくると、加工の特性を感じるようになり、仕上げの加工においてあと一歩の微調整を追求できることが肌感覚でわかるようになりました。私たちの業務は、生産予定に合わせ段取りを行い、設計室から供給される加工データを用いて加工することです。とはいえ、その指示が最善であるとは限りません。次の工程を見越した「前追いの可能性」を提案し生産性をあげることも可能なのです。
今では、ソディックの加工条件をベースに、当社独自の加工ノウハウを構築しニーズにあった製品をつくりだせるようになりました。これは、柔軟性ある加工機と長年放電加工に取り組んできた成果だと感じています。

武漢工場放電担当 劉 寧様

加工の要求精度はどのように変化していますか?

10年前と比べると要求精度の向上は明らかです。形彫り放電加工機は優れた転写加工を行えます。電極の精度が高くなれば、加工物の精度も同様に良くなります。そこでソディックの高精度なマシニングセンタを導入し、電極を加工しています。一つの電極に多数の形状をもった一体電極をHSシリーズでつくり、放電加工機に取り付けます。以前は精度領域の違う電極を個別に作り、別段取りにて複数回にわけた放電加工を頻繁に行うため、人の手による作業が多く発生していました。

ところが、電極精度の向上によって電極とワークを取り付ける1回の段取りで、複数箇所を加工する“送り電極”加工が可能となり、加工段取り時間を最小限にとどめ、生産の効率を高めることが可能になりました。
一方で、その電極は、微細・微小・狭ピッチの形状が複雑に存在する精密な部品となります。形彫り放電加工機とマシニングセンタ、どちらもソディックの高精度なリニアモータ搭載のマシンだということが、この生産方式を実現できている理由だと思います。

HSシリーズの導入によって、5マイクロメートルから3マイクロメートル以上の加工精度へ達成できています。会社だけでなく、私自身も成長していると感じており、やりがいになっています。

これからのHOMI

HOMIの得意分野は、コネクタなどの電子部品をつくる金型部品だ。それらの精密加工技術を活かし、EVや医療関連など成長分野へ業務の幅を広げている。「中国では、中国の自動車メーカによる国内自動車生産台数が2000万台を超える日が近いといわれている。EVをはじめ、センサーやカメラの需要に応える必要がある。」(張総経理)

また、スマートフォンなどの電子デバイスでは、防水化がすすんでおりシリコン部品に需要がある。「シリコンは寸法公差のきびしい材料となり金型にはより精度が要求される。このシリコン関連部品は、医療関連での需要も期待でき、ますます技術力がためされる分野だ。」と将来を見据えている。(張総経理)

武漢工場放電担当 劉 寧様
総経理 張 世欽 総経理 張 世欽
台湾:本社研究センター
HOMI CO., LTD
赫鎂模具股份有限公司
代表者
Leo Chang
総経理 張 世欽
住所
No.458-11, Sec.2. Fenliao Rd., Linkou Dist., New Taipei City 224-52, Taiwan (R.O.C.)
台灣新北市林口區粉寮路二段458之11號
電話
+886-2-2602-9215
中国湖北省武漢市
GUGITECH INTERNATIONAL CO., LTD
固佶達國際有限公司
住所
XinhuiRoad, Hongan County Economic Development Zone,Huanggang City,Hubei Province China
中國湖北省黄岡市紅安県経済開発区新輝路
電話
+86-07133855211
中国広東省東莞市
Homi Dongguan Co., Ltd.
東莞市赫鎂模具有限公司
住所
Yucheng road11 A area 2F, Shatou Xinsha Industrial district, Chang' an town, Dongguan city, Guangdong
中國廣東省東莞市長安鎮裕成路11號
電話
+86-769-8150-5333

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