インタビュー【ソディックユーザレポート】 鹿児島県 南九州市
三豊機工株式会社 鹿児島工場様

戦わずして世界から選ばれる商品力

ボルトやナット関係の金型が主力製品の三豊機工株式会社。製品は日本や米国、欧州、アジアなど世界15か国で利用され、最終的に自動車、家電、家具、建築といったあらゆる分野を支えることになる。1981年開発の「ダブルヘックス」は国内では70%のシェアを誇る。今回は全ての生産を担う鹿児島工場を訪問した。

商社から金型製造業へ

鹿児島県南九州市の約6千坪の広大な敷地に建ち並ぶ10棟の工場。1991年の工場完成から徐々に拡大し、1998年には材料の切断から加工、熱処理などの工程を経て、最終的な品質検査、出荷まで一貫して行う内製化を実現。
三豊機工は1965年にネジ用加工機の商社として創業。金型の販売を行い、自社で製造まで手がけるようになったのは、「満足する品質の金型がない」という顧客の呟きからだ。
製造を開始した当初は愛知県春日井市の本社近くに工場を構え、ほどなくして「ダブルヘックス」を開発。ボルトやナットの最終加工時に使用する六角の型が割れやすいことから、6つの部品で構成してあらかじめ分割することで耐久性を高めたものだ。低価格の海外製品に負けない商品力あるモノづくりに成功した。

オリジナルのダブルヘックス割型シリーズ

鹿児島県に工場を集約した理由

「昔も今も海外に生産拠点を持つ気はありません。」、そう断言するのは三豊機工の舟橋佳孝社長。鹿児島工場の完成当初から日本製にこだわった。理由は顧客が満足する製品の品質を最優先するため。
鹿児島県は本社のある春日井市より当時から日帰りできるアクセスの良さがあるとともに、愛知県と比べて競合する製造業が少なく、確実に若手を採用できる点が魅力だった。また、鹿児島工場が位置する川辺町は仏壇の町として栄えており、手仕事が人々に根付いていた。「当社の製品には高精度の機械が必要な一方、人の技能、技術があって初めて品質を確保できます。だからそれを伝承できる若い力が必要です。」(舟橋社長)
現在、鹿児島県は県外就職率が50%ということもあり、継続して若手の採用が可能だと見込む。

工場内の様子

500台の工作機械と自動化

製造工程で使用するのはおよそ500台もの工作機械。各メーカーの最新設備がずらりと並び、180名が勤務している。
「放電加工機なら1人あたり6~7台、平面研削盤、円筒研削盤なら1人あたり4~5台は使えます。機械ごとにメーカーを同一に揃える理由はそこにあり、たとえば平面研削盤はメーカーが違うと回転が逆のものもあります。同じメーカーならバージョンアップしてもそこは絶対に変わらない。現場の人間は体で動きを覚えていますから、メーカーを揃えれば同時に数台は扱えます。それが稼働率の向上にもつながっています。」(舟橋社長)
生産設備を導入する際は、特殊仕様への柔軟さとメンテナンスで高い精度を維持できる点、保守サービス員の対応力で選んでいる。


ソディック製のワイヤ放電加工機が並ぶ
また、製造工程において自動化できる部分は徹底する。設備によって夜間の無人運転やATC(Automatic Tool Changer/自動工具交換装置)の活用、ワークと工具の交換はスケジューラーで管理している。
こうして整然とした工場内を歩いてみると、人間や障害物を上手く避けながら行き来する自動搬送ロボットが目に入る。加工途中の製品を次の工程へ運搬しており、人がモノの搬送にかける時間を大幅に短縮。最先端のモノづくりの現場がここにあった。


自動搬送ロボットが運搬する様子

複数のロボットが行き交う

多能工化の狙いとは

鹿児島工場で勤務する全員が現地採用だ。人材育成については鹿児島工場の創設時からOJT(On the Job Training)で上司や先輩社員から新人に仕事を教えてきた。現在、新入社員は3か月の見習い期間があるが、この間に必要な技能、技術を身に付ける。
また、新人だけでなくベテランを含む他の社員においてもスキルマップを作成し、できること、できないこと、を明確にして期ごとのそれぞれの目標を設定。狙いは多能工化の推進だ。
「多能工化のメリットの一つは、作業方法や工程を俯瞰して見ることができるようになることです。他のグループから移ってきた人がもっと効率的な方法に気づくことが意外にもあるのです。」(舟橋社長)


様々な機械に触れ、技能・技術を身に付ける

ゴルフ練習場と農園を経営

実は三豊機工は別の一面を持つ。鹿児島工場とは別の場所に30万坪の土地を所有し、その一部で450ヤード天然芝のゴルフ練習場「三豊ゴルフクラブ」、名古屋コーチンや黒豚、竹炭の生産を行う「薩摩農園」を運営しているのだ。ゴルフ練習場はその広さからドライビングコンテストがたびたび開催され、プロの日本決勝大会なども行われている。
また、会社経営とは別に、空いているスペースを地元の中学生が所属する硬式野球チームへ解放。おかげでチームは毎週末の球場の確保に悩むことなく、伸び伸びと練習に打ち込めるようになった。

今後は一層の充実を

今日まで顧客のニーズに合わせて拡大を続けてきた三豊機工。今後はより一層の充実をはかる。納期や品質を充実させることで顧客満足度をさらに高める。「“戦わずして選ばれる” 経営戦略です。三豊機工の製品以外では成し得ないと、お客さまから選ばれる圧倒的な存在でありたい。そのための人材育成や設備投資です。」(舟橋社長)

舟橋 佳孝 代表取締役社長


本社
三豊機工株式会社
本社
〒486-0816 愛知県春日井市東野新町1丁目4番地
電話番号
0568-81-4111(代)
代表者
舟橋 佳孝 代表取締役社長
従業員数
215人
保有設備
ワイヤ放電加工機形彫り放電加工機
3軸マシニングセンタ、5軸マシニングセンタ、
NC旋盤、NC研削盤、真空熱処理炉、ほか多数
業務内容
冷間圧造工具の製造及び販売

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