同社は1982年、金型設計の受託メーカーとして浜崎社長が創業した。浜崎社長は元々、部品メーカーで設備や金型の設計業務を担当。「当時の設計はドラフターによる手書きで、図面の不具合を加工でカバーしていた時代。設計が早く、図面の修正や成形まで手配できたことから、色んなユーザーから指名されていた」(浜崎社長)。
さらに、勤務先の社長から「加工を学べ」と言われ、CAM(当時は自動プロ)を習得。「NCが一般的ではない時代。職人にCAMの加工を見せた際『もう我々の時代じゃないなあ』とつぶやいたのが忘れられない」という。それ以上に感じたのが「誰もしていないことは儲かる」ということ。
こうした経験から、創業後は、設計の受託にとどまらず、ZAS型、ゴム、樹脂、プレスと相次いで金型製作に着手。だが「金型も事業の一つに過ぎない。儲けるには他社がしないことをする必要がある」との考えから、自社ブランド製品に参入。雨や風などに反応して自動で窓が開閉する「オートクローザー」や、ヘリカルギア・ウォームギア分割製法(特許取得済)を開発した。
