ソディック機を末永くお使いいただくために、我々サービス部門から予防保全やチョット便利な使い方を紹介していくメンテナンスコラム。
今回は、『射出成形機の動作不良・機械停止トラブルのよくある原因と予防策』をご紹介します。
知っておいて損はない内容となっておりますので、重大な生産トラブルを起こさないためにも、ぜひ最後までご覧ください。
原因その①:油圧機器のトラブル
射出成形機の動作不良・機械停止トラブルのよくある原因の1つとして、油圧機器の故障が考えられます。
ここからは、油圧機器の基本知識および、油圧機器が故障してしまう原因と予防方法をご紹介いたします。
油圧機器とは
油圧機器は、油圧技術により機械を動作させる機器の総称です。
では油圧技術とは何かと言いますと、油圧回路内の作動油に圧力を加えて、動力を得る技術のことで、小さな力を大きな動力に変換できる特長から、様々な機械の駆動部に組み込まれています。
ソディックの射出成形機も、例にもれず油圧機器が搭載されており、スクリュの回転、プランジャ・ノズルの前進後退、型締めといった機械動作は油圧機器によって駆動しています。
油圧機器の仕組み
油圧機器について簡単に説明するために、油圧を利用した代表的な機構である油圧シリンダについて解説します。
油圧シリンダは油圧の力を使って伸びたり縮んだりするアクチュエータの一種です。


この時供給される油には圧力が加わりますが、供給口の断面積がピストンの断面積より小さくなっており、パスカルの原理(※)によって、ピストンはより大きな力で押し出されます。
※密閉容器内の流体の一部に加えた圧力が、流体の他のすべての部分に等しく伝達するという法則
「流体なら油でなくても水でよいのでは?」と思われるかもしれませんが、油は凍結・沸騰しにくく、防さび性にも優れており、潤滑剤としても機能するため、油が用いられています。
オイルフィルタについて
油圧機器の回路内には、動力を伝えるための作動油が流れているわけですが、特にメンテナンスを行わずに長年機械を使用していると、劣化したパッキンの破片や油圧ピストン・シリンダの磨耗で発生するスラッジなどが油圧回路内に混入してしまいます。
そうなると、油圧機器を動作せる電磁切換弁のスプールに異物が詰まり、指令通りに駆動できなくなるといった故障に繋がります。
また、スラッジによりパッキンに傷が付き、油漏れの原因にもなりえます。
そこで、油圧回路内を清潔に保つ役割をしているのがオイルフィルタです!
オイルフィルタは油圧回路内を流れるスラッジや異物をエレメントと呼ばれる”ろ紙”で吸着します。


油圧機器の故障を防ぐため、半年に1回程度を目安に、エレメントの定期的な交換をおすすめします。
エレメントの交換方法については、機械の取扱説明書をご覧ください。
作動油分析のご案内
油圧機器トラブルを防ぐためには、エレメントの交換だけでなく、作動油自体の交換が必要な場合もあります。
ソディック機をご利用のお客様であれば、作動油の酸化・劣化・汚染状態を確認いただける『作動油分析』をご利用いただけます。
機械購入後3年以上一度も作動油を交換していないというお客様は、一度作動油の劣化状態を確認されることをおすすめいたします。
ソディックでは、2種類の作動油分析コースをご用意しております。
標準作動油分析コース
作動油の汚染粒子分布と酸価の測定を実施いたします(※)。
汚染粒子分布では、油中夾雑物をカウントして、作動油中の汚染物質分布状況をISO4406汚染度等級にてご提示いたします。
酸価測定では、作動油の酸化状態を測定し、劣化状況をご確認いたします。
上記料金には、作動油抽出作業費と交通費は含まれておりません。
フル作動油分析コース
標準コースの測定内容に加えて、40℃における動粘度の測定と質量汚染度測定、顕微鏡による異物混入状態の確認、水分量の確認を実施いたします(※)。
40℃における動粘度測定では、油圧機器の動作において重要な、油の粘度状態をご確認いたします。
また、顕微鏡による観察では、異物の混入状態だけでなく、冷却水の混入や環境雰囲気水分の混入が起きていないかを確認いたします。
※上記料金には、作動油抽出作業費と交通費は含まれておりません。
ソディック機をご利用のお客様で、作動油の劣化状態分析にご興味がございましたら、ぜひ以下のフォームよりお問い合わせください。
原因その②:サイレンサの目詰まり
ソディック機(ハイブリッド横型機)をご利用のお客様であれば、サイレンサの目詰まりも、動作不良の原因として考えられます。

ハイブリッド横型機の型開閉シリンダ部は、型開時にエアを排気、型閉時にエアを吸気します。
この吸気部分にサイレンサを装備しており、吸排気時の騒音と異物の混入を同時に防いでいます。
しかしながら、特にメンテナンスや清掃を行わず機械を使い続けていると、フィルタ部分が目詰まりしていき、吸排気を正常に行うことができなくなります。
具体的には、型開時に抜けきれなかった空気が圧縮され、駆動部を押し戻す力が働き、停止位置で止まらない(停止後に前進してしまう)という現象が起こりえます。
予防策として、機械の定期点検時等に、サイレンサのフィルタ部分の清掃(エアブロー)を行うことをおすすめいたします。
まとめ
今回は成形機の動作不良や機械停止トラブルの原因や予防策についてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
動作不良の主な原因は油圧機器の経年劣化ですが、エレメントの定期的な交換により、長く安心して機械をご使用いただくことができます。
またソディックでは、エレメントの交換だけでなく、作動油の劣化状態を確認できる作動油分析サービスも提供しておりますので、ご興味がございましたらぜひ以下のフォームよりお問い合わせください。
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