メンテナンスコラム 2026.09.01

射出成形機が立ち上がらない時のよくある原因と対策

ソディック機を末永くお使いいただくために、我々サービス部門から予防保全やチョット便利な使い方を紹介していくメンテナンスコラム。
今回は、『成形機が立ち上がらない時のよくある原因と対策』をご紹介します。

「電気設備の点検などで長時間ブレーカを遮断した後、成形機が立ち上がらなくなった」、「年末年始の長期休暇明けに成形機を立ち上げようとしたら、電源は入るがモータやヒータが起動しない」といった故障は、生産計画に影響を与えかねない重大なトラブルです。
そんなもしもの時に備えて、この記事の内容を参考にしていただければ幸いです。

成形機が立ち上がらない場合の主な原因

成形機が立ち上がらない原因として一番に考えられるのは、電源内のスイッチングレギュレータコンデンサの劣化による故障です。
一般的な使用方法で運用している成形機であれば、これらの部品は製造からおよそ5年~7年ほどで劣化してしまいます。
これらの劣化が進むと、電源回路内の電圧異常が発生し、成形機の動作不良につながります。
基板の劣化は、使用頻度ではなく製造年からの時間経過で進行するため、久しぶりに成形機を立ち上げるとうまく動作しなかったといったトラブルが起こりえます。

スイッチングレギュレータとは

スイッチングレギュレータは、入力電圧を任意の電圧に変換する装置です。
100Vの入力電圧を、電源内にある基板などへ出力する際に、24V・12V・5V・3Vといった電圧へ変換して渡すために、成形機内にはいくつものスイッチングレギュレータが存在しています。

スイッチングレギュレータ

コンデンサとは

コンデンサは、電気を蓄えたり放出したりする電子部品です。
電圧の変動を吸収し、余計なノイズを取り除くことで電流の波形を滑らかにする役割を担っています。
これにより、成形機の電源供給が安定し、機械の動作がスムーズになります。

コンデンサ

トラブル発生時の対処法

射出成形機のスイッチングレギュレータとコンデンサが劣化し、立ち上がらなくなってしまった場合には、新品のものに交換する必要があります。
詳しくは、お使いの射出成形機のメーカーにお問い合わせください。
ソディック製射出成形機をご利用のお客様であれば、以下の番号にお電話いただければ、交換対応させていただきます。

株式会社ソディック 射出成形機国内サポート
(0761)72-0027

スイッチングレギュレータやコンデンサの劣化は少しずつ進行していきますが、電源が入っている間はその問題は表層化せず、休転明けの立ち上げ時に症状が現れる場合がほとんどです。
よくある事例として、電源を入れたら、はじめの数時間は立ち上がらず困っていたが、時間が経つと改善したというケースで、この症状を放置してしまうと、次の休転明けにはうんともすんとも言わなくなってしまうという事態が起こりかねません。
成形機の立ち上げ時に少しでも違和感を感じたら、迅速にメーカーへご相談されることをおすすめいたします。

保証は出来ませんが、こんな方法も...

スイッチングレギュレータの故障が判明し部品交換が決定的となった場合、でもどうしても機械を動かさないと生産スケジュールが間に合わない。
そんな場合の応急処置があります。
それは、故障したスイッチングレギュレータ上に載っているコンデンサを「ドライヤーで温める」という方法です。
温める時間はそれほど長くする必要はありません、せいぜい1-2分程度です。
これを行う事で一時的に電圧が復活して機能する事があります。
ただし保証はありません、うまくいく時もあれば復活しない事もあります。

なぜ温める復活するのかといいますと、内部の電解液が温まり液の動きが良くなる。
それによって劣化したコンデンサの性能(静電容量やESR)が一時的に復活するためです。

ただしこれはあくまでも一時的な延命処置ですので、早々に新品のスイッチングレギュレータに交換が必要です。

まとめ

今回は成形機が立ち上がらない際の原因や対応についてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
一時的に改善したとしてもスイッチングレギュレータやコンデンサの劣化は進んでおり、放置していると重大なトラブルにつながる可能性があります。
異常を感じたら、すぐにでもメーカーへお問い合わせください。

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