Wire-cut EDM

ワイヤ放電加工機の自動化

ハードウェア  ソフトウェア  コア技術  システム例 

自動化のための

ハードウェア

機械と連携し、ワークを自動運搬・自動交換する装置を紹介します。
運搬するワークや電極のサイズ、質量、点数に応じて最適なシステムを選択できます。

Image▲ ALN400G iG+E & 多関節ロボット 構成例

自由度が高く、 フレキシブルな対応が可能

多関節ロボット

ワークの搬送を多関節ロボットが行います。
主に水加工液で課題となる、ワークのサビ防止のためには、十分な乾燥や、防錆油の噴霧処理などが必要になります。多関節ロボットとのシステムアップの特長として、各装置のレイアウトの自由度が高く、乾燥ステーション( エアブロー工程) や、防錆スプレー噴霧装置へのアクセスも自動化することができます。

ワイヤ放電加工機向けのツーリングシステムは、ワークの形状や用途に応じて選定することで、柔軟な段取り作業や機種間での連携が可能となり、加工工程全体の生産性を向上します。

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ロボットによって、ワークの交換を自動化します。

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ワークの保持・取り付けには、それぞれの形状や質量に応じたワークパレットを使用します。

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形状測定や、加工後のエアブロー工程なども自動化できます。

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ワーク交換を自動化
大容量・省スペース

ERC80 EROWA Robot Compact 80

多関節ロボットと比べ、可搬質量が大きいものが多く、省スペースでも様々な種類のワークの搬送が可能です。

ワイヤ放電加工において、多数のワークを加工する場合、あらかじめ加工テーブル上にワークを可能な限りセットしておくことで、連続加工が可能です。しかし、その場合に作成するNC プログラムは複雑となり、ワークの段取りにも作業時間を要します。

ワークの搬送を自動化することで、最適なワークスペースの活用や、加工機上での段取り時間を大幅に短縮し、機械の稼働率をより高めることが可能となります。

ワイヤ放電加工機用
クランプシステム

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フラットチャック

ワイヤ放電加工機は、その他の工作機械と比較して、特殊な段取りが要求されます。

各用途に応じたツーリングの採用により柔軟な段取り作業が可能となり、ワ イヤ放電加工機の生産性を大きく向上させます。

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Imageチャックアダプタによる電極の段取り
Imageクランピングフレームによる混在した段取り
Imageプリズムホルダーによる円形部品の段取り
Image外部測定

自動化のための

ソフトウェア

連続自動運転するソフトウェアと、司令塔となる上位システムに連携する機能をご紹介します。
ソディックでは、本機・NC 装置に加え、これらのシステム・ソフトウェアをすべて自社開発しており、
エンジニアリングチェーンが分断されることなく、一気通貫のものづくりが可能となっています。

スケジューラ

Mr.Sodick

設計情報( 位置決め、加工プログラム、位置座標、ワーク情報など) と現場情報( 外部ユニットによる測定値、ストッカからの情報) をまとめて管理することで、煩雑な作業をすることなく、自動化を支援するスケジューラです。

DiproWin と連携でき、ワークの位置決めの動作や、プログラム作成後にそのままスケジューリングすることができます。

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自社開発・製造 2 次元CAD/CAM システム

DiProWIN(ダイプロウィン)

金型の設計・製造現場でのリードタイムの短縮を命題に開発した、多様な状況に対応できるワイヤ放電加工機用CAD/CAM システムです。

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CAD/ カスタマイズ

最小限の操作で、様々な金型設計に応用できます

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プレス金型設計支援

曲げ工程のデモや、歩留まり率の算出が可能です

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金型構造設計支援

設計のリードタイムを大幅に短縮します

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ワイヤCAM

複雑な形状でも簡単にNC プログラムを作成できます。

IoT

稼働監視アプリケーション

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「LQ Message」は、ネットワーク接続した機械の稼働監視アプリケーションです。パソコンでソディック工作機械の稼働状況を確認できます。また、設定したメールアドレスに、加工完了やアラートの通知を行う“お知らせ機能”がついており、生産現場にいなくても、機械の稼働状態をメールで受け取れます。特に、長時 間の自動加工を実行している場合に、“加工完了”のお知らせが届き、ユーザ様の中でも加工オペレータの皆様に高評価でご利用いただいています。

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PCにインストールして
最大12台の機械をモニタリング

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自動化のための

ソディック コア技術

高精度加工の自動化のためには、長時間の連続運転の中で、工作機械自体が安定し変形しないことが求められます。
ソディックの工作機械はリニアモータをはじめとする優れたコア技術を採用し、自動化に適した機械として多くの実績があります。

リニアモータ駆動

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ボールねじを不要とした非接触式であるため、ボールねじの磨耗などに起因する機械精度低下がマシンライフ(10年以上)を 通して発生せず、メンテナンスフリーで半永久的に初期の機械精度を維持します。

リニアモータ駆動の特長である、非常に高い再現性と、長期安定性は、「ものづくりの自動化」において、工作機械に求めら れる最も重要なファクターです。

ソディックのワイヤ放電加工機は、XYUV 4軸にリニアモータ駆動を標準で搭載しています。

自動結線装置 FJ-AWT

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断線点結線と自動リスタートで、長時間の自動運転を強力に支援します。空中・水中を問わず高い結線率を誇ります。

自社製の高性能 NC装置

ソディックでは、1976 年に世界で初めて放電加工機にNC装置を搭載して以降、NC 装置を自社開発しています。そのためブラックボックスが無く、設備・加工内容に応じて自由度の高い自動化システムを構築可能となっています。
最新の「SPW 電源」では、ワークの傾き・歪みの自動補正や任意3点自動測定など、NC コードレスで段取りや補正ができる機能のほか、あらかじめ指定した日時に複数のNCプログラムを連続実行できる「スケジュール運転機能」、加工形状を作成できる2次元プログラム作成機能「ハートNC」など、数々の作業効率を向上させる機能を搭載しています。

中子処理装置S3CORE スコア (オプション)

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加工後に切り出したワークの落下を防ぎ、自動で回収す る、シンプルな構成の中子処理装置です。精密ワークで も位置ずれせずに中子処理を自動化できます。

カメラ式機上測定システム(オプション)

こんなケースにオススメ

「複雑なワークの加工後、触れずに形状測定したい!」

  • プローブが入り込めない複雑な形状
  • 加工後のワークに触れずに測定したい
  • CAD 図面を重ねて公差の確認がしたい
  • PC を自前で用意するのは面倒・・・

上ガイドに取り付けたカメラと、下ガイドに取り付けたバックライトで、その間に置かれたワークを撮影し、形状精度を測定するシステムです。非接触のためヒューマンエラー防止につながり、プローブや基準球が入らない部分を測定できます。
また、DXF ファイルと比較することも可能です。

ImageNC 画面上で測定操作、結果確認を行います。
専用のPC、モニターは不要です。

予防保全機能AIM

機械の温度変化を常に記録し、加工への影響をリアルタイ ムに診断します。また、ワイヤ残量・加工液の比抵抗の変 化を監視し、消耗品の交換を提案します。 不良率削減とトレーサビリティの向上に繋がる保全機能で す。

TH COMサーマルコミット (総合温度管理)

機械各部の温度をセンシングし、精密補正・各種診断機能が利 用可能な「TH COM(サーマルコミット)」 機能を搭載することで、設置環境の温度変化、および高速駆動時の熱変位量を最小限に抑制します。

※このページの情報は、ワイヤ放電加工機ALシリーズの仕様を元に制作しております。その他の機種につきましては、担当営業までお問い合わせください。

自動化のための

システム例

初期コストを抑えるセミオートから本格的な無人自動運転をフルオートまで、
加工物のサイズ・数量・加工時間に応じた、最適なシステムを構築できます。

テーマ①

「大型サイズのワークを、連続で、自動で、高精度に加工したい!」

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ポイント①

「大容量のERC80」

超精密モデル「AL400P iG+E」での加工を、大容量のERC80 を使って自動化したシステムです。加工サイズに応じたワークパレットを複数種類用意し、2台のAL400P iG+E でダイナミックに加工します。

ポイント②

「2台のAL400P iG+E を正逆配置」

1台のロボットを中心に、複数の機械を点対称となるような向きに配置しています。2台のAL400P iG+E で同じNCプログラムを使用できます。

ポイント③

「簡易プリセッタユニット」

外段取りとしてのワークセットと精度確認を行うための、セラミック製・簡易プリセッタを活用します。

ポイント④

「高性能な自動結線装置」

長時間の連続加工では、安定した自動結線が不可欠です。ALシリーズの「FJ-AWT」は、パレットで保持された「下浮き・液中」状態のワークに、安定して細線ワイヤを結線できる高性能な自動結線装置です。

テーマ②

「5分で終わる加工×100 回... 自動化したい!」

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ポイント①

「多関節ロボット」

大量のワークを加工する場合、1点あたりの加工が短時間であっても、ワークの交換ごとに段取り時間が発生します。ワークの搬送・取付け・取外しをロボットにより自動化することで、段取り時間を大幅に短縮し、省人化と機械稼働率の向上を可能とします。

ポイント②

「サビ対策」

電気的作用・化学的作用の2 つのアプローチでワークを防錆・防食するオプション「サビレス」を使用しています。

ポイント③

「エアブロー工程の自動化」

加工後のワークはロボットで取り出され、エアブロー工程(乾燥ステーション)により加工液を除きます。

ポイント④

「見える化システム」

プログラムの実行を常に監視するソフトウェアシステムにより、遠隔地からでもリアルタイムに加工進捗を確認できます。

テーマ③

「刃物の加工を自動化したい!」

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ポイント①

「多関節ロボット」

多関節ロボットは、軽量なワークの自由度の高い搬送を得意とします。その特長を活かし、割り出し回転軸との同期加工で、回転軸へのワーク搬送・着脱・仕上げ加工を自動化しています。

ポイント②

「サビが発生しない油加工」

油加工では、原理上サビの発生や超硬合金材の腐食がありません。研磨加工できない刃物形状において、最終仕上げ加工が可能です。
油加工液自体も耐酸化性に優れ、長時間の連続加工でも安定した加工性能を発揮します。

ポイント③

「タッチプローブで測定」

タッチプローブで機上測定することで、外段取りで発生しやすい機差を極小化し、精密な加工が可能です。

ポイント④

「AP シリーズ」

AP シリーズは、あらゆる環境で高性能を発揮する、超精密モデルです。門型構造・アーム懸垂構造、高速・高応答を実現するリニアモータ駆動方式を採用したことで、質量移動による機械変位・機械摩擦を極小化します。

※写真は3D モデルから生成したイメージ図を含みます。
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