Die-sinker EDM

形彫り放電加工機の自動化

ハードウェア  ソフトウェア  コア技術  システム例 

自動化のための

ハードウェア

機械と連携し、ワークや電極を自動運搬・自動交換する装置を紹介します。
運搬するワークや電極のサイズ、質量、点数に応じて最適なシステムを選択できます。

Image ▲ AL40G+ & SR12 構成例

ワーク・電極搬送装置

SR12

小型電極、小型ワークを多く使う用途に向けた搬送装置です。

小型電極、小型ワークを多く使う用途に向け、コンパクトな筐体にストッカーとロボットを収めました。 本体前後に棚を配置しており、 お客様の用途に合わせ、棚間隔や治具の種類をカスタマイズすることが可能です。

対応機種:AL40G+ / AL60G+

最大搬送荷重

電極:7 kg、ワーク:9 kg

個数

電極:60 個、ワーク:10 個

対応する機械の種類に応じて配置が変更可能

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システム支援ツール

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ロボットによって、電極・ワークの搬送を行います。

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Mr.Sodick

スケジューラによる工程管理を行います。

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システム構成例

ツーリングシステムを含め、自由度の高 いレイアウトが可能です

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エアブローBOX

形状測定や、加工後のエアブロー工程な ども自動化できます。

Image▲ AL40G+ & ERC80 構成例

Erowa Robot Compact 80

ERC80

搬送ロボットによるパレット・電極交換を行います。

電極も、質量の大きいワークも搬送可能な1 台のロボットステーションが、自動化を実現します。
コンパクトなレイアウトで省スペースに対応でき、左右どちらからのアプローチもできるため、フレキシブルなシステム構成が可能です。

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※画像は ATC-16E

自動電極交換のスタンダード

ATC

オプションのATC 仕様により、シンプルかつ省スペースな構成で、スケジューラがない場合の運用でも、電極交換の自動化を実現します。
AL+ シリーズでは、オプションとして、本機左側に設置する、スタンドアローン型のATC ユニット「ATC-16E 」「ATC-32E」と、加工タンク右側に設置する、簡易的で省スペースなATC ユニット「ATC-12S」「シャトルATC」を用意しています。
(対応機種や仕様につきましては、担当営業までお問い合わせください。)

高精度な外段取りを可能とする
ツーリングシステム の採用

放電加工における効率化・自動化において優れた実績を構築している、エロワITSシステムを提供しています。クランプ時の繰り返し精度2μm 以下、90°× 4 の割り出しが可能、クランプ力が高く電極製作工程からのダイレクト運用が可能など、自動化システムにおける高精度な外段取りを実現するツーリングシステムです。

自動化のための

ソフトウェア

連続自動運転するソフトウェアと、司令塔となる上位システムに連携する機能をご紹介します。
ソディックでは、本機・NC 装置に加え、これらのシステム・ソフトウェアをすべて自社開発しており、
エンジニアリングチェーンが分断されることなく、一気通貫のものづくりが可能となっています。

自社開発・製造 3次元CAD/CAM システム

DiProSOLID(ダイプロ・ソリッド)

形彫り放電加工機

製品の3次元モデルから加工プログラムを作成できます。

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  • 加工位置や芯出し測定ポイントをダイレクトに取得し、芯出しから加工までのNC プログラムを作成します。
  • 加工深さ毎の放電投影面積を算出し、最適な加工条件を検索します。
  • 3次元モデルを活用することで、加工位置の座標値入力作業が一切必要ありません。
  • 3次元モデル上で芯出し測定ポイントを指示するので、座標値の入力ミスがありません。
  • EPX フォーマットに対応しています。

スケジューラ

Mr.Sodick

設計情報( 位置決め、加工プログラム、位置座標、ワーク情報など) と現場情報( 外部ユニットによる測定値、ストッカからの情報) をまとめて管理することで、煩雑な作業をすることなく、自動化を支援するスケジューラです。

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簡易スケジューラ機能

LN Pro AI

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※画像はSP 電源

NC 装置に標準搭載された、加工プログラム作成支援機能「LN プロフェッショナル」による簡単入力で、ベーシックなスケジュール運 転が可能です。段取り・加工・スケジューラに対する高度な知識が不要で、複数の電極・ワークを自動交換できます。
また、自動パワーON/OFF を設定したスケジュール運転も可能で、自動化・省人化・省エネに貢献します。
さらに、LNプロフェッショナルエンジンをAPI 提供することで、CAD/CAM システムを含めた上位システムとの強固でシームレスな連携が可能となります。

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IoT

稼働監視アプリケーション

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「LQ Message」は、ネットワーク接続した機械の稼働監視アプリケーションです。パソコンでソディック工作機械の稼働状況を確認できます。また、設定したメールアドレスに、加工完了やアラートの通知を行う“お知らせ機能”がついており、生産現場にいなくても、機械の稼働状態をメールで受け取れます。特に、長時 間の自動加工を実行している場合に、“加工完了”のお知らせが届き、ユーザ様の中でも加工オペレータの皆様に高評価でご利用いただいています。

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PCにインストールして
最大12台の機械をモニタリング

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自動化のための

ソディック コア技術

高精度加工の自動化のためには、長時間の連続運転の中で、工作機械自体が安定し変形しないことが求められます。
ソディックの工作機械はリニアモータをはじめとする優れたコア技術を採用し、自動化に適した機械として多くの実績があります。

AL+ series

リニアモータ駆動

リニアモータ駆動の特長である、非常に高い再現性と、長期安定性は、「ものづくりの自動化」において、工作機械に求められる最も重要なファクター です。
ソディックの形彫り放電加工機は、自社開発・製造のリニアモータ駆動を、XYZ 3軸すべてに搭載しています。

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ボールねじを不要とした非接触式であるため、ボールねじの磨耗などに起因する機械精度低下がマシンライフ(10年以上)を通して発生せず、メンテナンスフリーで半永久的に初期の機械精度を維持します。

リニアモータ駆動の放電加工

リニアモータ駆動方式の放電加工は、チップだまり等により発生する集中放電や2次放電が抑制され、だれでも常に安定した加工が行えます。これは、リニアモータ駆動による高加速・高推力なリニアジャンプの効果であり、狭小ギャップの深物加工を、無噴流・高品位で可能とします。

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精密熱変位補正機能 TH COM

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高い加工精度が求められる工作機械の機構部は、僅かな温度変化でも金属の熱膨張により変形し、加工点の 位置が変位することで加工精度に影響を及ぼします。加工を自動化するためには、変形せずに24時間安定した加工結果が得られる機械が必要となります。
AL+ シリーズには、総合温度管理・熱変位補正機能として「TH COM」を標準装備しています。気温、加工液温、機械構造体の温度をセンシングして自動補正します。事前のデータ収集は不要で、リアルタイムに補正し、季節や環境によらずに長時間運転を可能とします。

自社製の高性能NC装置

ソディックでは、1976年に世界で初めて放電加工機にNC装置を搭載して以降、NC装置を自社開発しています。そのためブラックボックスが無く、設備・加工内容に応じて自由度の高い自動化システムを構築可能となっています。
最新の「SP電源」に内蔵された「スケジュール運転機能」を使用することで、自動化を制御するための特別なソフトを必要とせず、自動化を開始できます。

テーブルダウン(オプション)

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近年、ロータリーテーブルを使用して加工したり、自動化対応のためテーブルにクランプチャックを設置して加工する要望が増えています。従来機ではヘッドをアップすることで対応していましたが、AL40G+/AL60G+/AL80G+では、テーブルを下げることにより、「オープンハイト」と「加工液面高さ」の両方を満たす仕様を実現しており、お客様の多種多様な段取り設定に柔軟に対応可能です。
対応機種:AL40G+ / AL60G+ / AL80G+

3面自動上下式加工タンク

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完全自動制御の3 面自動上下式加工タンクを備え、自動電極交換装置やロボットを用いたワーク・電極交換システムとの親和性が高く、超高精度・高速加工の連続自動運転を構築できます。

対応機種:AL40G+ / AL60G+ / AL80G+

解析・調査・監視で生産性向上をサポート

AI保全機能「AIM」

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「AIM(AI Maintenance)」は、機械の稼働状況やメンテナンス状況、機械の設置環境など、機械の各状態を監視し自動的に診断することで、機械の稼働率向上、加工不良率の削減、トレーサビリティの向上を実現します。

カメラ式機上測定システム(オプション)

形彫り放電加工機上で、測定顕微鏡と同程度の画像測定ができる装置です。

  • 300 万画素カラーカメラで高解像な画像が得られます。
  • PC 画面上で簡単にデジタルズームが可能です。
  • アイコンメニューと測定ナビゲーション機能で、直感的に操作できます。
対応機種:AL40G+ / AL60G+ / AL80G+/ AL100G+

主な機能

一発測定を可能にする
ワンクリックツール機能(自動エッジ検出)

測定したいエッジの近傍を1回クリックするだけで、ツールの自動設定からエッジ検出、演算までの作業が自動的に実行できます。

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簡単測定をサポートする
ナビゲーションウィンドウ

選択された測定コマンドや測定の状況をガイダンスする測定ナビゲーション機能を搭載しています。

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繰返し測定に便利な
記録モード、実行モード

測定手順をファイルに格納しプログラムを繰り返し実行できるため、キー操作が必要なく同一形状の部品を何個も測定することが簡単にできます。

※記載内容は、形彫り放電加工機 AL+シリーズの仕様を元に制作しております。その他の機種につきましては、担当営業までお問い合わせください。

自動化のための

システム例

初期コストを抑えるセミオートから本格的な無人自動運転をフルオートまで、
加工物のサイズ・数量・加工時間に応じた、最適なシステムを構築できます。

テーマ①

初期コストを抑えて自動化し、
今までの放電加工機工程をステップアップしたい!

AL40G+ & SR12

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ポイント①

「多関節ロボット」

スムーズな電極・ワークの交換を繰り返し、合計100個以 上にも及ぶワークを全て自動で加工します。

ポイント②

「可能な限りシンプルに」

電極・ワークのホルダサイズを統一し、システム構築時の煩 雑さを軽減する構成としています。

ポイント③

「小型電極・小型ワーク向けに最適化」

「SR12」は、小型電極、小型ワークを多く使う用途に向け、コンパクトな筐体にストッカーとロボットを収めたシステムです。本体 前後に棚を配置し、用途に合わせ棚間隔や治具の種類をカスタマイズすることが可能です。

ポイント④

「ハード・ソフトが全てSodick製」

スケジューラ「Mr.Sodick」、CAD-CAM ソフト「DiproSolid」を組み合わせた自動化システムです。これらを全て自社開発したこ とで、エンジニアリングチェーンが途切れることなく一気通貫のものづくりが可能です。

テーマ②

「今までの技術を活かしながら、高精度加工を自動化したい!」

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ポイント①

「標準の簡易スケジューラ機能」

NC 装置に標準搭載の「LN プロフェッショナル」の簡易スケジューラ機能で運用できるため、簡単で手ばなれのよいシステム構築が可能です。

ポイント②

「ATC-32 を活用」

オプションのATC ユニットを使って、電極とワークを自動交換します。他のロボットを使用しないため、メンテナンスのしやすさも特長です。

ポイント③

「小物の精密加工に特化」

ATC による搬送のため、電極・ワークのボリュームに上限があり、小物加工に特化したシステムです。超精密加工で優位性を発揮する「AP1L」がベースとなっています。

ポイント④

「フルカバー仕様」

熱変位抑制と安全性を両立する、フルカバー仕様です。稼働状態に応じて、3色LED の色が変わります。

テーマ③

「2機種を平行運転させながら、工程集約と機上測定を両立したい!」

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ポイント①

「簡単・シンプルな構成ERC80」

最大搬送荷重80kgの大容量ERC80を採用したシステムです。多様なサイズのワークや電極を自動交換しながら、2台のAL60G+でダイナミックな生産を行います。

ポイント②

「簡易プリセッタ」

加工中の外段取りの一部を自動化しています。簡易プリセッタで次のワークを測定しておくことで、正確かつ安定した加工を連続で行うことができます。

ポイント③

「2台のAL60G+を正逆配置」

1台のロボットを中心に、複数の機械を点対称となるような向きに配置しています。2台のAL60G+で同じNC プログラムを使用できます。

ポイント④

「見える化システム」

プログラムの実行を常に監視するソフトウェアシステムにより、遠隔地からでもリアルタイムに加工進捗を確認できます。

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