【金型造形の社内事例】設計から製品化まで11日間!OPM活用による超短納期簡易金型製造

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金属3Dプリンタ
公開日2025.07.24 更新日2025.07.25
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こんにちは、SurVibes(さぁ!バイブス)編集部です!

今回は、金属3Dプリンタの活用事例として、自社製品製作への応用事例をご紹介します。
他の記事でもご紹介している、金属3Dプリンタによる金型製作を、ソディック自らが実践しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

金型造形における金属3Dプリンタの優位性

金型を金属3Dプリンタで造形するメリットの1つとして、従来のドリル加工では難しい複雑な形状の冷却水管(3D水管)を設けられることが挙げられます。
これにより、水管加工の難易度を気にせず冷却効率を追求することが可能で、プラスチック金型であれば、成形サイクルタイム・製品品質の改善が期待できます。
また、ダイカスト金型においては、金型自体の耐久性が向上し、メンテナンス頻度の削減・機械稼働率向上といった形でお客様の生産性に寄与します。
詳しくは、以下の記事をご参照ください。

設計から製品化まで11日間!OPM活用による超短納期簡易金型製造

今回ご紹介するのは、ソディック製マシニングセンタのATCグリッパ成形用金型です。
こちらの製品は、元々は金型ではなく、工作機械による削り出しで製造されていました。
しかし、よりスピーディーで・簡易的な『短納期金型製作』が可能な『OPMシリーズ』を活用することで、射出成形による効率的な生産を実現することができました。

ATCグリッパ(成形品):正面向き
ATCグリッパ(成形品):正面向き
ATCグリッパ(成形品):横向き
ATCグリッパ(成形品):横向き

3D水管による成形品質の安定化 ⇒ 材料コストの削減

こちらの製品の成形が難しいとされていた理由として、工具をグリップする部分の形状が、成形時に歪みやすいという事情がありました。
金属3Dプリンタで金型を造形することで、下図のように冷却効率を追求した3D水管金型を製作できます。
これにより成形時の変形を抑制したことで、射出成形が可能になり、切削が不要になった分の材料コストを削減できました。

ATCグリッパ用金型:キャビティ
ATCグリッパ用金型:キャビティ
ATCグリッパ用金型:コア
ATCグリッパ用金型:コア
金型内部の水管形状:キャビティ
金型内部の水管形状:キャビティ
金型内部の水管形状:コア
金型内部の水管形状:コア

OPM活用による超短納期金型製作

今回の事例では、3D水管による成形品質の安定化により、金型試作から調整なしの1度で製品化できています。
さらに、ベースプレートを金型の一部とした、カセット式金型とすることで、造形後の切り離し工程を省略し、リードタイムを削減しています。
ベースプレートを造形物の一部とするハイブリッド造形は、位置決め機能を持つソディック製金属3Dプリンタの強みであり、造形時のズレを極小に抑えることが可能です。
※ハイブリッド造形については以下の記事をご参照ください。

こちらの金型は、造形だけでなくミーリング仕上げ加工までを1台で行うことができるソディック製金属3Dプリンタ『OPM』により製作されており、それによる工程集約さらなるリードタイム削減につながっています。
『水管による成形品質の向上』『ハイブリッド造形による後工程の省略』『OPMによる工程集約』の組み合わせにより、設計から実際の成形までわずか11日間という超短納期開発を実現できました!

▼金型詳細情報

造形粉末:マルエージング材
樹脂:ジュラコン POM [M90-44(N CF2001)]
造形サイズ(X×Y):125mm×125mm

▼金属3Dプリンタ導入の特筆事項まとめ
・3D水管による成形品質向上で、射出成形による製造を実現 ⇒ 材料コスト削減
・3D水管による成形品質向上で、金型試作から調整なしの一度で製品化
・ハイブリッド造形による後工程の省略
・仕上げ加工機能付金属3Dプリンタを活用した工程集約
・金型の設計から製品の成形までわずか11日間で達成

ウェビナーアーカイブのご案内

ソディックは企業合同のオンラインセミナー『3Dプリンティング・AM Webinar Week 2024』に登壇し、『金属3Dプリンタによるダイカスト金型への適用事例と新製品OPM250L+のご紹介』というテーマで、ソディック製金属3Dプリンタの特長や、自社開発粉末、品質保証に関するモニタリングソフトなどについてご紹介いたしました。
3D冷却水管を導入したダイカスト金型の事例についても紹介しておりますので、ご興味がございましたら、ぜひ以下の画像リンクよりアーカイブをご視聴ください。

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まとめ

今回は、金属3Dプリンタによる金型製作を、ソディック自らが実用化している事例をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
金属3Dプリンタは最新技術や新しい粉末材料の開発により、さらに活用の幅を広げています。
特に今回ご紹介したような金型の造形においては、従来工法では実現できないような付加価値を得ることができます。
ソディック製金属3Dプリンタや、3D水管を活用した金型にご興味がございましたら、ぜひ以下のリンクよりお問い合わせください。

執筆者
SurVibes編集部

SurVibes編集部

オウンドメディアの記事制作を担当しております。それぞれ違うバックグラウンドを持った20、30代メンバーを中心に制作。新しいことにチャレンジしながら、多くの先輩、関係者の皆様に支えてもらい毎日が勉強です!「つくる」にフォーカスした企画をいつも探しています。

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