


読了まで分
こんにちは、SurVibes(さぁ!バイブス)編集部です!
前回の記事では、2025年9月に加賀事業所にて実施されました『第1回 成形アプリ体験会』のレポートを記事にまとめていますが、今回はその続編です。
成形現場の生産性を劇的に向上させる最新技術について紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
体験会のスケジュール
改めて、今回参加した体験会のスケジュールをご紹介します(※)。
2025年9月に開催された際のスケジュールであり、内容は今後アップデートされる可能性がございます。
時間帯 | 内容 |
10:00~11:30 | 初心者歓迎!「成形ナビ」を使った成形条件出し体験 |
11:30~12:00 | 「金型内樹脂情報管理ツール」による成形センシング実習 「成形ナビClass-AI」機能解説 |
13:00~14:00 | 「V-Connect Plus」による成形機の遠隔管理体験 「M2M」を使った周辺機器と成形機の一括管理体験 |
14:00~14:30 | 新操作パネル「iXコントローラー」の機能紹介 |
14:45~16:00 | 「Nendy-E」で学ぶ樹脂材料の粘度測定 |
この記事では午後の部の内容についてご紹介しています。
午前の部については前回の記事でご紹介していますので、ぜひそちらも併せてご覧ください。
「V-Connect Plus」による成形機の遠隔管理体験
午後の部最初のパートでは成形システム全体情報を一元管理できる総合管理システム『V-Connect Plus』について、開発担当の方から直接解説いただけました!
V-Connect Plusはファイルサーバとオンライン接続された成形機から各種データを収集し、クライアントPCからリアルタイムの稼働状況・成形結果を管理可能にします。



すごく便利な機能だと思います!
最近では成形機をご使用のお客様が、製品の納品先から成形時の品質管理データを求められる場合もあります。
そんな時、V-Connect Plusを導入していれば、対象ロットの成形結果・各種データを簡単に抽出し、CSV形式で出力可能です。


V-Connect Plusは成形機に紐づいたデータを収集できるので、午前中に紹介した『金型内樹脂情報管理ツール』で取り込んだ型内圧データもソフト上で一元管理できます。
ですがソディック製品のメリットはそれだけではありません。
この後紹介する『M2M』を併用することでより一層便利になります。
次のパートも楽しみにしていてください。
V-Connect Plusのもう1つの特長は『遠隔操作』です。
社内のLANがつながっている環境であればどこからでも成形機を操作できるようになります。
さらに、ソディックのサポートセンターからお客様の成形機を遠隔操作することも可能になり、トラブル発生時や良品が取れない場合の条件出しなど、リモートでの迅速なサポートを実現できます。
詳しくは以下の動画をご覧ください。


従来はサービスマンが現場にUSBを持参して行っていたソフトウェアの更新作業も、リモートサービスを活用することで遠隔で実施できるようになります。
「M2M」を使った周辺機器と成形機の一括管理体験
続いて解説いただく『M2M』は成形機と周辺機器(乾燥機・金型温調器など)をネットワーク接続することで、成形機での一元管理が可能になるアプリケーションです。
詳しくは以下の記事で解説していますのでぜひ併せてご覧ください。

M2MはV-Connect Plusと連携することで周辺機器のデータロギングも可能になります。
シンプルなテーブル表示だけなく、簡単操作でグラフ化して推移を可視化することもできます。


各機械の設定値テンプレートやタイマー設定も成形機のパネル上で管理できるのであれば、現場で用意する作業手順書もかなりシンプルにできそうです。

午前中に体験いただいた成形ナビもそうですが、本来複雑な成形プロセスをいかにシンプルにできるかが、お客様の生産性向上のカギとなると考えています。
新操作パネル「iXコントローラ」の機能紹介
続いては、ソディック製射出成形機の最新機種に搭載されている新開発の制御システム『iXコントローラ』について、開発担当者より直接解説いただきました。


また、データメモリを8GBに容量アップしたことで、最大5,000件の波形データを保持できるようになりました。

大量生産に適した射出成形では、その分大量のデータが取得されますので、本体に保持できるデータ量が増えたことの恩恵も大きそうです。
さらに、新開発された操作パネルは19型の大画面となっており、マルチタッチ式によるスマホライクな操作が可能です。
重要な圧力データを1画面に集約する等の工夫により、『ステータス画面の視認性』・『波形表示画面の操作性』といったユーザ体験が大幅に改善されています。


EFM MODE(弾性流動成形モード)
EFM MODEは樹脂材料の弾性回復力を利用して成形不良を抑制する機能です。
金型に樹脂材料を充填する際、充填制御と保圧制御の間にプランジャを停止または低速制御する『EFM制御』を挟むことで、樹脂材料が持つ弾性回復力によってキャビティ空間内に樹脂が行き渡ります。
これによりVP切替位置や充填速度の調整だけでは改善できなかった成形不良の抑制が期待できます。


このような例では、VP切替位置や充填速度といったパラメータの調整だけでは改善がむずかしい場合もあり、より繊細な調整が可能になる機能としてEFM MODEが開発されました。

論理 I/O
iXコントローラでは、周辺装置とのインターフェイス信号を任意に設定できる機能『論理 I/O』が使用可能になりました。
あらかじめ準備された各種インターロック信号や出力信号を成形機操作画面上で論理作成し、入力信号に対する成形機の動作停止やサイクル停止などのインターロック動作設定や、周辺機器への任意のタイミングでの信号出力が可能になります。


例えば各装置のパトランプ点灯のタイミング・条件によるランプの色分けや機械停止のタイミングなどを自由にカスタマイズできるようになり、現場に合わせたシステムが構築可能になります。

「Nendy-E」で学ぶ樹脂材料の粘度測定
最後は溶融粘度測定装置『Nendy-E(ネンディ)』による、樹脂材料の粘度測定を体験しました!
環境問題が重要視される昨今では、リサイクル材の活用が推進されていますが、リサイクル材はバージン材と比べて粘度が低くなる傾向にあり、その影響は成形結果にも現れます。
そのため、リサイクル材の活用にはその品質管理が不可欠となっており、品質管理指標としての粘度測定の需要が高まっています。
そこで、より扱いやすくかつ実態に即した粘度測定を行うため開発された装置がNendy-Eです。
Nendy-Eの特長はアタッチメント式となっている点で、V-LINE®成形機のノズルを交換するだけで粘度測定装置としてお使いいただけます。
詳しくは以下の記事で紹介していますのでぜひ併せてご覧ください。


ですので、すでに成形機をお使いの方にとっては導入しやすいことがメリットの1つです。

Nendy-Eは成形機さえあれば装置自体は片手で持てるサイズですし、省スペース性の面で優れていますね。

ノズル部に取り付けた後は成形機のパネルから操作でき、パージ作業の要領で簡単に測定が行えます。
成形機の機構を利用して測定するので材料供給も自動で行われます。
Nendy-Eはリサイクル材の品質管理以外にも、流動解析における活用などが期待されています。
正確なシミュレーションを行うためには、正確な粘度測定が必要不可欠です。
Nendy-Eは成形機の機構を利用して測定を行うことから、樹脂の溶融状態も実際の成形時と同じ状態を再現できており、従来の測定方法と比較してより実態に即した粘度測定を行うことができます。
まとめ
今回は第1回成形アプリ体験会午後の部の内容をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
5時間かけてみっちり教えていただけましたので、成形に関する多くの最新技術を学ぶことができた濃い1日になりました。

実際に開発を担当されている方に解説いただけたことで、販促資料には載っていない開発の背景や、踏み込んだお話を伺うことができました。

ありがたいことにアンケートでも高い評価をいただけておりますので、ぜひ第2回以降の体験会も多くの方にご参加いただけますとうれしく思います。
成形現場の生産性を向上させる最新のアプリケーションにご興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
第2回体験会のご案内

第2回成形アプリ体験会は下記の通り開催予定です!
お客様の現場の課題を解決する最新のアプリケーションを実際に操作・体感いただけます。
開発技術者とディスカッションを行う機会としてもぜひご活用ください。
開催日程
以下の日程よりご希望のお日にちをお選びいただけます。
12/1(月)、12/2(火)、12/3(水)、12/4(木)、12/5(金)
開催場所
ソディック加賀事業所 ショールーム
〒922-0595 石川県加賀市宮町カ1-1
TEL:(0761)75-2000(大代)
- 車でのご来場:北陸自動車道片山津I.Cまたは加賀I.Cより車で10分
- 電車でのご来場:加賀温泉駅より車で10分
- 航空機でのご来場:小松空港より車で20分
詳細は以下の申込ページよりご確認ください。