ワイヤ放電加工を基礎から学べる!ソディック初級スクール<後編>

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工作機械
公開日2025.11.04 更新日2025.11.04
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こんにちは、SurVibes(さぁ!バイブス)編集部です!

前回の記事では、ソディックのワイヤ放電加工機 初級スクールの概要と、加工プログラム作成までの流れをご紹介しました。 今回の記事では、いよいよ加工前の段取り作業放電加工の実習にチャレンジします!

前編をまだご覧になっていない方は、以下のリンクからぜひチェックしてみてください。

目次

加工前の段取り作業に挑戦!

加工プログラムが作成できたら、いよいよ機械本体に触れていきます。 加工前の段取り作業として、以下のステップを順に実施していきます。

スクールの進捗状況により、順番が前後する場合があります。

  1. ワイヤ結線
  2. ワイヤ垂直出し
  3. ワーク設置
  4. Z軸高さ調整
  5. 位置出し
  6. 流量調整

1.ワイヤ電極線の結線

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機械にワイヤ電極線をセットし、手動または自動で機械後部の排出部までワイヤを通します。

無事に結線されるとワイヤが自動的に送り出され、常に新しいワイヤで加工を行うことができます。

ワイヤ電極線取付の様子①
ワイヤ電極線取付の様子②
ワイヤ電極線取付の様子③

2.ワイヤ電極線の垂直出し

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垂直出しブロックを使用し、ワイヤがX軸・Y軸に対して垂直になるように調整します。

ワークの側面を正確に加工するためには、ワイヤの垂直性が非常に重要です。

垂直出しの様子①
垂直出しの様子②

特別な治具を使うことにより、操作画面から簡単に自動垂直出しを行うことが可能です。

3.ワークの設置

メディア画像

ワークをテーブルに配置し、X・Y軸に平行になるように傾きを調整しながらクランプ治具のボルトを締めて固定します。

ワークの平行にズレがあると、狙い通りの加工ができなくなるため、ワークの設置も慎重に行います。

ワーク設置の様子

4.Z軸高さ調整

メディア画像

ワイヤの結線を一度外し、上ガイドの高さ(Z軸)を調節します。

ノズルとワークの隙間は、0.1~0.2mmになるように設定します。

治具などの影響で上側ノズルを近づけられない場合は、距離を取って加工することもあります。

5.位置出し

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再度ワイヤを結線し、上下ガイドを移動します。

ワークの端面にワイヤを1~2mm近づけ、接触感知機能を使って加工の基準位置を決定します。

操作画面から、位置出しも簡単に実行可能です。

6.流量調整

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加工中に発生する加工くずを排出するため、上下ノズルからの噴流の流量を調整します。

荒加工では高圧噴流、仕上げ加工では低圧噴流を使い分けることで、加工精度の向上とワイヤ断線の抑制につながります。

これで加工の準備は整いました!
加工の段取りはなかなかに大変な作業でしたが、最近ではタッチプローブを用いた機上測定装置が普及しはじめ、作業工数が大幅に削減されたケースもあるとのことです。

ワークの傾きを機械が自動で計測して、各軸の動作に傾き分の補正をかけることで、ワークのズレによる影響を最小限に抑えることができ、段取りにかかる時間が劇的に改善されます。

ソディック製ワイヤ放電加工機のオプションとして、この機上測定装置がございますので、ご興味があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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初めて使う器具ばかりで最初は戸惑いましたが、座学で学んだ基礎知識を思い出しながら行うことで、「なぜこの作業が必要なのか」を理解しながら進めることができました!

自作プログラムで、放電加工を実行!

加工プログラム作成実習で自作したNCプログラムで、実際に加工を行っていきます。

加工液で加工タンクが満たされ、放電加工中の機械
加工液で加工タンクが満たされ、放電加工中の機械

加工が完了したら、ワークを取り外して仕上がりを確認します。
寸法測定器を使って、設計通りに加工できているかをチェックします。

今回、同じ形状をパズルのピースのようにワーク同士が組み合わさるよう、プログラム作成してみました。

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無事加工終了!ワークを組み合わせてみます。

4回カットを行っており、加工物同士はスムーズにスライドしていきます。

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ぴったりと組み合わさりました!

ワイヤ放電加工の精密さを改めて実感しました。

どのような加工物なのか、気になったかたはぜひスクールを受講いただきご確認ください!

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SurVibesメンバー
初めてワイヤ放電加工機を操作しましたが、NCプログラムの作成から機械のセッティング、そして加工まで、基礎から丁寧に教えていただけたおかげで、しっかりと理解することができました。

自分が設計した通りに加工物が仕上がったのを見たときは、嬉しくて感動しちゃいます!

私のようにモノづくり自体に慣れていない人から、マシニングやCAD/CAMの経験はあるものの、放電加工機の操作は初めてという方まで、ソディックスクールはどんな方でも安心して参加できる内容でした!

スクールお申し込み

スクールは、以下の2つの方法からお申し込み可能です。

  • ソディック担当営業へのご連絡
  • 会員サイト「Sodick Connect」からWeb申請

スクールは、お客様の所在地域を担当するソディック拠点での受講となります。詳細は以下の表をご確認ください。

お客様 所在地域受講可能な拠点
東北仙台テクセンター
東日本横浜営業所、松本営業所、さいたまテクセンター
中日本名古屋テクセンター、静岡テクセンター
西日本大阪テクセンター

さいたまテクセンターは2026年より開催

ソディック各拠点の問い合わせ一覧はこちら

会員向けサイト『Sodick Connect』

ソディック工作機械保有者様向けの会員サイト『Sodick Connect』では、ワイヤ電極線の取り付けや、Heart-NCの基本操作を動画で紹介しており、スクール受講後の復習に最適です。

さらに、ワイヤ放電加工機の基本操作マニュアルや、メンテナンスに役立つ資料・動画も閲覧可能なため、スクール受講の有無にかかわらず、日々の加工業務にご活用いただけます。

Sodick Connect紹介イラスト

▶ 登録無料!『Sodick Connect』のお申し込みはこちら

まとめ

今回は、ソディック製ワイヤ放電加工機の初級スクールについて、機械操作の基本から実際の加工体験までをご紹介しました。

新人教育やスキルアップの一環として、スクールをご活用ください。
また、機械の導入をご検討中の方は、購入後も安心のサポート体制が整っているソディック製品を、ぜひご検討ください!

執筆者
SurVibes編集部

SurVibes編集部

オウンドメディアの記事制作を担当しております。それぞれ違うバックグラウンドを持った20、30代メンバーを中心に制作。新しいことにチャレンジしながら、多くの先輩、関係者の皆様に支えてもらい毎日が勉強です!「つくる」にフォーカスした企画をいつも探しています。

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