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こんにちは、SurVibes(さぁ!バイブス)編集部です!
今回は放電加工の電極製作における、寸法精度の課題と電極加工機の駆動方式の関係を記事にまとめました。
「電極加工の寸法精度が不十分なため、放電加工時の揺動で調整せざるを得ない」
「電極の寸法検査で頻繁にNGになる」
そういったお困りごとを抱えておられる方も少なくないのではないでしょうか?
本記事はそれらの課題に対する解決の糸口になりえますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
電極加工における寸法精度の重要性と手戻りの原因
形彫り放電加工は電極の形状を加工物に転写する特性上、電極の精度が加工物の品質に直結します。
そのため上流工程である電極加工の精度は重要で、そこでの手戻りは製造プロセス全体の生産性低下につながります。

電極製作の手戻りには様々な原因が考えられますが、その1つに電極加工機駆動部のボールねじの摩耗が挙げられます。
ボールねじ駆動の仕組みと経年劣化について
通常、よく使われる電極加工機の駆動部には、ボールねじ方式が採用されています。
ボールねじは、ねじの回転運動をナットを通して直線運動に変換する仕組みで、ねじ軸とナットは物理的に接触しながら前後運動する構造になっています。
そのため、特に電極加工のような限られた領域での繰り返し運動では、接触部の金属摩耗が激しく進み、ねじのバックラッシュ(接触部の隙間)は拡大していきます。
結果として駆動部の位置決め精度が落ちていき、電極精度が徐々に悪化するという現象が発生します。
リニアモータ駆動機の加工安定性
そこで今回ご提案するのがリニアモータ駆動機です。
リニアモータは駆動部が非接触であるため、ボールねじに見られるような経年劣化による摩耗はありません。
そのため、長期に渡り安定した加工性能を発揮でき、特に電極加工のような狭い範囲を集中的に往復運動する加工においては最適です。
電極の寸法精度が安定することで放電加工における揺動量の都度設定や手戻りがなくなり、工程全体の生産性が向上します。
ソディックの新型リニアモータ駆動マシニングセンタ『GS540L』のご紹介
ソディックが新開発したリニアモータ駆動マシニングセンタ『GS540L』は、電極加工に適したさまざまな特長を備えています。
3軸リニアモータ駆動による安定性とコストパフォーマンスの両立
GS540LはXYZの3軸リニアモータ駆動となっており、特に精度が求められる電極加工において、長期に渡り安定した性能を発揮します。
リニアモータ駆動と聞くと高額なイメージを持たれるかもしれません。
ですが、GS540Lはコストパフォーマンスの面でも優れています。
最大主軸回転速度24,000rpmと一般的な電極加工において十分な性能に設計されており、ソディックのハイエンド製品群と比べてお求めやすい価格設定を実現しています。
さらに、ツールホルダ形式(シャンク)はBBT30を採用しており、リニアモータ駆動でありながら、マルチな加工に対応する汎用性も兼ね備えた、コストパフォーマンスを発揮しやすい製品となっています。

高速・高精度輪郭制御機能による生産性の向上
リニアモータはボールねじと比べて高加速度での送り動作を実現でき、その特性はハイスピードミーリングにおいて優位に働きます。
GS540LのNC装置に標準搭載された『高速・高精度輪郭制御機能(SEPT3)』は、NCプログラムを先読みすることで許容誤差や速度/加速度を考慮した最適な加工動作指令を生成し、高速加工時も安定した高精度加工を実現します。
これにより、工具にかかる負荷も軽減され、工具寿命延長による生産性向上も期待されます。
テーブルサイズを活かした複数電極の同時加工
GS540LのXYテーブルは520mm×420mmとなっており、電極加工機の中では比較的大サイズに設計されています。
そのため複数の電極を同時に加工することも可能です。

まとめ
今回は電極加工におけるリニアモータ駆動機の優位性について解説しましたがいかがでしたでしょうか?
電極加工の精度を安定させることで、続く放電加工プロセスの生産性が改善され、製造プロセス全体の改善が期待されます。
ソディックの新型マシニングセンタ『GS540L』はリニアモータ駆動機の優位性とコストパフォーマンスを両立しており、安定した精度が求められる電極加工において最適な選択肢となりえます。
詳細なスペックは以下のカタログからご覧いただけますので、ぜひお気軽に資料をダウンロードしてみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました。