ものづくりの技V-LINE®(V-ライン®

「電極無消耗回路」「ローラン技術」「自社開発NC装置」「セラミックス」「リニアモータ」
「モーションコントローラ(K-SMC)」などを搭載することにより、
ソディックの放電加工機でつくられた主要な金型部品の加工精度は格段に向上しました。

これらを用いて組みあげられた金型の、総合的な精度は向上しましたが、その金型を射出成形機に搭載し、プラスチック製品を生産するお客様から、「従来の射出成形機では思うような精密成形ができないので、なんとかならないか?」という相談が寄せられるようになりました。
そこで、このようなお客様の困っている声にお応えするために、ソディックでは、工作機械とは異なるジャンルの、産業機械であるプラスチック射出成形機の開発に着手しました。

V-LINE®(V-ライン®)はソディック製品の「神経」的な役割を果たすと言われているんだ ソディック製V-LINE®射出成形機

「思うような成形ができないのは、既存技術になんらかの問題が潜んでいるからではないか?」という疑問から、ソディックの射出成形機の開発はスタートしました。
調べてみると、プラスチック材料を溶かして、正確に計量し金型に射出する工程に改善が必要なことが分かりました。

そこで、従来から広く採用されていたインラインスクリュ方式
(以下インライン)の問題点に着目。
インライン方式では、その工程が微妙なバランスで成り立っており、成形が不安定になることがわかってきました。
そこでソディックでは、その問題点を解決するため、V-LINE®
(V-ライン®)と呼ぶ方式
を開発しました。

V-LINE®方式では従来1本のスクリュで行っていた工程を分けることで、これまでの不安定な要素を取り除くことに成功しました。
この画期的なV-LINE®方式は、現在もソディックの全射出成形機に搭載されている技術です。

Q1プラスチック射出成形って何?

私たちの身の回りにはたくさんのプラスチック製品があります。
プラスチック射出成形とは、このプラスチック製品の製造方法のことで、
プラスチックのペレットを実用する形状に成形する方法のことです。

プラスチック製品の材料はペレットと呼ばれる樹脂の小さな粒です。
射出成形は、ペレットを溶かす、金型に入れる、固めて取り出す、の3つの工程で成り立っています。

溶かす 金型に入れる 固めて取り出す

射出可塑化部 今回はこの部分を説明するよ

このようなプラスチック成形品を作る機械が射出成形機です。
この機械は、主にプラスチックを溶かし流し込む機能を持つ射出可塑化部と金型を載せそれを開閉および締め付ける型締部で構成されています。

Q2 可塑化射出って何?

射出成形は樹脂ペレットを、「溶かして」、「必要量を用意して」、「流し込む」、の
3工程で成立します。それぞれの工程のことを「可塑化」「計量」「射出」と言います。

Q3

最初にインライン方式を教えて

インラインスクリュ方式は、スクリュと射出シリンダが同軸上に配置されており、材料の可塑化(溶かす)機能と射出(流し込む)機能を同軸上で行います。
インラインの方式的な特長は、「チェックリング」と呼ばれる前後に動けるシャット方式を持つことです。
この「チェックリング」は、可塑化時にはプラスチックを自由に流し、射出時にはプラスチックが後部に漏れるのを遮断する機能を持ちます。

スクリュにて可塑化、計量、射出を行う 1.プラスチックの溶けた状態が安定しない

インライン方式

可塑化開始時~計測中 逆止+射出

逆流があり 2.実充填量(計量値)がばらつく

Q4

V-LINE®って
どこが今までの方式と違うの?

V-LINE®とは、
ソディックが開発した射出成形機の射出可塑化構造の名称です。一般には、スクリュ・プランジャプリプラ方式と呼ばれることもありますが、そのプリプラ構造を改良した構造です。

可塑化と射出を分けているので、可塑化溶融状態・実充填量が安定していることがV-LINE®の最大の特長です。

※音声が流れますのでご注意ください。

可塑化と射出を別々に分けた動作だから正確なんだ!

V-LINE®方式

可塑
回転のみ 有効長が変化しない

ペレットは高温ヒータからの熱と
スクリュが回転する事で徐々に溶けていきます
スクリュは同じ場所で回転するので
プラスチックは同じ熱履歴を受けます

溶けたプラスチックを射出に必要な分だけ
プランジャ側へ送り込みます

必要なプラスチックの量に達したらスクリュを
前進させ流路を遮断(逆止)します
スクリュ先端で逆止し、流路を確実に遮断

射出
インライン成形機のように射出中に逆流しないから計量した量が正確に金型に充填されるんだ!
V-LINEの特長

このようにV-LINE®方式の射出成形機が完成したおかげでソディックの放電加工機やマシニングセンタで作った金型できっちりと成形不良なくプラスチック製品が作られるようになりました。

ソディックは最後のプラスチック製品完成までものづくりをトータルでサポートしています 今回でソディックのものづくりの技は一旦最終回となります。
	でも・・・ソディックのものづくりはこれからも続いているので、またお伝えできる日がくると思います!
当たり前に使っている身近なものがどうやって生み出されているのか考えてみてくれたら嬉しいな!

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