ものづくりには金型が欠かせません。
金型とは製品を大量生産するために使われる金属製の型の総称です。製品の作り方によりプレス金型、鍛造金型、鋳造金型、ダイカスト金型、プラスチック金型などがあります。
車やスマホなどに使われる部品を安定した品質で効率よく生産するために、金型は欠かせません。
金型とは製品を大量生産するために使われる金属製の型の総称です。製品の作り方によりプレス金型、鍛造金型、鋳造金型、ダイカスト金型、プラスチック金型などがあります。
車やスマホなどに使われる部品を安定した品質で効率よく生産するために、金型は欠かせません。
製品により多様な材料が金型に使用されますが、焼き入れと言う処置をした普通の鉄よりもさらに硬い金属や、これよりも硬い超硬合金などが使われます。超硬合金とは、ダイヤモンドに次ぐ硬さをもつ金属で、とても丈夫なため金型として使われています。
これらの硬い金属を
1マイクロメータ単位で加工できるのが放電加工機です。
ちなみに1マイクロメータは
1000分の1mm
とても硬い超硬合金を加工して金型をつくるために、
放電加工技術が使われているのです
水や石油などの液体の中で、向かい合った金属の間に電気による火花を起こし、その熱で金属を溶かして加工する方法です。液体の中で火花を起こすと、金属の溶けた部分が液体により急激に冷やされ飛散します。残った部分は穴のように窪み、月のクレータのようになります。このように、火花を断続的に飛ばし、金属の溶解・冷却・飛散を繰り返し金属を加工することを放電加工と呼びます。
放電加工機=「EDM」などとも呼ばれます。
(Electrical Discharge Machine)
どんなとき、どんなものに放電加工するの?
例えば”くまのプレート”を大量に生産する場合、そのための金型を作ります。
金型の素材は硬い金属なので、複雑な形状に加工することは至難の技です。そんな時に放電加工の出番です。
まず、くまの形をした電極を作り、その電極と硬い金属との間で電圧をかけ、放電による火花を起こして、
正確にくまの形を加工して行きます。
直接ドリルで削る加工方では加工物が硬くてドリルが折れてしまう
削れても、加工したい形状にするのはともて難しいこれでは金型として使えない
キレイな金型ができたので、これを金型として同じ“くまのプレート”を効率よくたくさん生産できる
どうやって作りたい形に加工するの?
放電加工を行うには主に「形彫り放電加工機」と「ワイヤ放電加工機」を使います。
「形彫り放電加工機」の場合
電極と金属の間で、一秒間に1000~10万回の火花を断続的に飛ばして、電極の形状を金属に彫るように加工します。この時、電極と加工物は直接触れません。これを非接触加工といいます。
形彫り放電加工機用の電極とは?
加工したい形状を反転した形で、主に銅やグラファイト(石墨、黒鉛)等の電気を通しやすい素材を使用します。これらの材料は普通のドリルで簡単に加工することができる柔らかい金属です。
「ワイヤ放電加工機」の場合、
非常に細いワイヤ電線を電極として火花を発生させて、熱により金属を溶かしながら切るように加工します。
不思議なことに電極は溶けずに相手の金属だけが彫られてゆく!
電気による火花で金属を溶かして加工するなら、電極も溶けてしまうのでは?
確かに、電極も溶けてしまいます。
形彫り放電加工で使用する電極は、加工するための火花によって損傷を受けて溶けます。この損傷を「消耗」と呼びます。1964年頃までは、電極の消耗が激しく、加工物を底まで打ち抜いてしまう、"抜き加工"しかありませんでした。多くの研究者達が、電極の消耗を減らすために、電極の素材や様々な回路で試行錯誤していました。
そして
ついに! Sodick創設者の古川利彦が、放電加工を行っても電極が消耗しない電極無消耗回路を発明しました!!
この発明は、古川が日々放電加工の研究を続ける中で、ある日電極と加工物のプラスとマイナスを間違えて接続して加工したところ、電極が消耗せずに加工物に穴が開くという常識では考えられない現象を発見したことに始まります。この発見は偶然がもたらした奇跡でしたが、これをもとに発明した電極無消耗回路の発明は放電加工技術に大きな革新をもたらしました。
電極が消耗しないので、
角がきっちり取れ、加工したい形状を忠実に表現することができます。